前回に引き続き、
記録の意味の解説。
二点目のタイトル:
『あっ、風が変わった。』
登場する動物:
つきのわぐま/うさぎ/りす、
そして初登場のねずみ/かわうそ。
仲良く5匹が薫風漂う森の草原。
切り株の上に腰掛けて遊ぶ、遊ぶ。
その時、くまさんがあることを感じる。
「あっ、風が変わった。」
一斉にみんなが指差すんだな。
各々に別の方角を。
風はひとつじゃない、それぞれ感じる風、
香りは違うんだよ。
だから、面白いって事。
何かほのぼのとした空気が漂う。
漂う空気はすなわち、風。
桜舞い散る春風から
青葉を吹き渡る緑風を通り、
若葉の匂いたつ薫風に辿りつく。
その季節の変わり目。
『あっ、風が変わった。』
そのタイトルの通り。
最初、
野原の野に風と書いて
「野風(ヤフー)」というタイトルであったが、
飾っているうちに寒さを凌ぎきれなくなると思い、
「薫風」にしようなどと思うのだが、
なんか格好良すぎねぇかってことになり、
口語体のこのタイトルにこれまた落ちついた。
やっぱり、感覚はほのぼの。
実物に近く
リアルに動物を描くという人々もいるが、
私の創作の根底に
リアルに描くなら、
写真を撮れば良いじゃん、っていう揺ぎ無い感覚があるので
描かない。
風景画も同様。
リアルな絵が実物を凌駕することはできない。
凌駕した時点でリアルではなく、それは創作。
熊さんがあの森を作り、
リスさんもあの森を作り、
アリさんもあの森を作り、
お魚さんがあの川を作り、
かわうそさんもあの川を作る。
そんな状況/情景を人さまが感情のままに絵にあらわせるのだろうか。
撮影技術の普及している現代。
写真が良い。
コラージュという手法で表現するのには、
絵で表現することも一少し前ならば納得できた。
そこそこ現実離れしている感覚が
余計にリアルに感じた。
でもねぇ、
CGっていうので色んな気味の悪いことが
昨今出来るんだろう。
余計にリアル描写から興味は薄れる。
リアル描写のこんなきれいに
描写できるんだって感覚がみんな好きなんだろう。
私は
どうもねぇ…。
原画は
第5回日本イラストレーター協会展にて展示中。
市ヶ谷山脇ギャラリーまで
どうぞ。
当然、
無料。
フラッと風のように
足を運んでください。
【BGM…BILLY WOODEN/The Wooden Glass Recorded Live
DIAMANDA GALAS WITH JOHN PAUL JONES/The Sporting Life】