動物の絵2009

前回に引き続き、
記録の意味の解説。




二点目のタイトル:
『あっ、風が変わった。』

登場する動物:
つきのわぐま/うさぎ/りす、
そして初登場のねずみ/かわうそ




仲良く5匹が薫風漂う森の草原。
切り株の上に腰掛けて遊ぶ、遊ぶ。




その時、くまさんがあることを感じる。
「あっ、風が変わった。」




一斉にみんなが指差すんだな。
各々に別の方角を。
風はひとつじゃない、それぞれ感じる風、
香りは違うんだよ。
だから、面白いって事。




何かほのぼのとした空気が漂う。
漂う空気はすなわち、風。




桜舞い散る春風から
青葉を吹き渡る緑風を通り、
若葉の匂いたつ薫風に辿りつく。



その季節の変わり目。



『あっ、風が変わった。』




そのタイトルの通り。




最初、
野原の野に風と書いて
「野風(ヤフー)」というタイトルであったが、
飾っているうちに寒さを凌ぎきれなくなると思い、
「薫風」にしようなどと思うのだが、
なんか格好良すぎねぇかってことになり、
口語体のこのタイトルにこれまた落ちついた。




やっぱり、感覚はほのぼの。












実物に近く
リアルに動物を描くという人々もいるが、
私の創作の根底に
リアルに描くなら、
写真を撮れば良いじゃん、っていう揺ぎ無い感覚があるので
描かない。





風景画も同様。




リアルな絵が実物を凌駕することはできない。
凌駕した時点でリアルではなく、それは創作。




熊さんがあの森を作り、
リスさんもあの森を作り、
アリさんもあの森を作り、
お魚さんがあの川を作り、
かわうそさんもあの川を作る。




そんな状況/情景を人さまが感情のままに絵にあらわせるのだろうか。






影技術の普及している現代。
写真が良い。



コラージュという手法で表現するのには、
絵で表現することも一少し前ならば納得できた。
そこそこ現実離れしている感覚が
余計にリアルに感じた。





でもねぇ、
CGっていうので色んな気味の悪いことが
昨今出来るんだろう。




余計にリアル描写から興味は薄れる。





リアル描写のこんなきれいに
描写できるんだって感覚がみんな好きなんだろう。



私は
どうもねぇ…。










原画は
第5回日本イラストレーター協会展にて展示中。



市ヶ谷山脇ギャラリーまで
どうぞ。








当然、
無料。



フラッと風のように
足を運んでください。



【BGM…BILLY WOODEN/The Wooden Glass Recorded Live
 DIAMANDA GALAS WITH JOHN PAUL JONES/The Sporting Life】